結合塩素とは
結合塩素は、遊離塩素が水中のアンモニアや有機物と反応して形成される化合物群の総称であり、クロラミン(モノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミン)などが含まれます。
結合塩素は遊離塩素に比べて殺菌力が弱く、消毒効果も低いため、水処理には慎重な管理が必要です。
ただし、結合塩素は遊離塩素よりも持続性があり、遠隔地まで消毒効果を維持できるため、長期間にわたる効果が期待される場面で役立つことがあります。
結合塩素の詳細
水処理では、次亜塩素酸(HOCl)や次亜塩素酸イオン(OCl⁻)として存在する遊離塩素が一般的に使用され、これらは強力な酸化剤として微生物を迅速に不活化します。結合塩素は、遊離塩素が水中のアンモニアや有機物と反応して形成され、クロラミンと呼ばれる化合物として存在します。遊離塩素は即効性があるのに対し、結合塩素は持続性があるため、遠隔地や長期間にわたる消毒が必要な場合に適しています。
結合塩素の影響
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消毒効果の低下
- 結合塩素は遊離塩素よりも殺菌力が弱いため、消毒効果が低下します。このため、必要な消毒レベルを維持するためには、遊離塩素の濃度を高めるか、結合塩素を適切に管理する必要があります。
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臭気の発生
- クロラミンは特有の刺激臭を持ち、よく知られているプールの「塩素臭」の主な原因です。特にトリクロラミンは非常に強い臭気を発し、不快感や呼吸器への影響を引き起こすことがあります。
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皮膚や目への刺激
- クロラミンは皮膚や目に刺激を与えることがあり、かゆみや赤みを引き起こす場合があります。特に敏感な人にとっては、これが深刻な不快感をもたらす可能性があります。
結合塩素の測定と管理
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測定方法
- DPD法(ジエチル-p-フェニレンジアミン法):この方法は、試薬を用いて遊離塩素と結合塩素の濃度をそれぞれ測定します。比色計を使用して遊離塩素と結合塩素を区別し、総塩素濃度を算出します。
- 総塩素の測定:総塩素は遊離塩素と結合塩素の合計であり、これを測定することで結合塩素の割合を確認できます。計算式は「総塩素 = 遊離塩素 + 結合塩素」です。
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管理方法
- ショッククロリネーション:高濃度の塩素を短期間投入することで、結合塩素を分解し、再び遊離塩素の効果を高めます。この方法はプールのクロラミン濃度を迅速に減少させるためによく使用されます。
- 空気曝露:プール水を空気に曝露してクロラミンを揮発させる方法です。換気を改善することで、クロラミンの臭気や刺激を軽減する効果があります。
- 活性炭フィルター:結合塩素を除去するために使用される場合があります。活性炭フィルターはクロラミンを効果的に吸着・除去します。
まとめ
結合塩素は、遊離塩素がアンモニアや有機物と反応して形成される化合物であり、クロラミンなどが含まれます。結合塩素は消毒効果が弱い一方で、持続性があり、遠隔地まで消毒効果を維持できる利点があります。しかし、結合塩素が増加すると消毒効果の低下や臭気、皮膚や目への刺激などの問題が生じます。そのため、適切な管理と除去方法(ショッククロリネーションや空気曝露など)が重要です。定期的な測定と適切な対応により、水質の安全と快適さを確保することができます。